2009年 02月 27日
日本って軍隊持っているの? |
P3の授業で、International political Analysis、要は国際政治の授業をとっていた。NSEADの多様性を考えると、どの地域の問題を話しても、その地域出身の人がいるので、彼らの生の声が聞けるので非常に面白かった。先生に噛み付く生徒もいて、結構エキサイティングな授業であった。
国際政治経済、社会システムを扱っていたが、日本の話が相当よく出てきた。その度に、日本人として何か発言しなくちゃと思って、気負い気味で頑張りました。日本のケースが出てくると、どちらかというと批判的なケースとして出てくることが多いのですが、そのたびに、「いや違う、こういう側面もあったんだ。こういう効用もある」とか、。以前友人にも言われたのですが、「お前は、日本の話、それも日本に対してのステレオタイプな発言、茶化したような発言をされると、かなりムキになって反論するよね。」と。自覚しています。意図的にやっている部分もあります。今後もそうしようと思っております。
授業の前半部分の多くが、第二次世界大戦以降から現在まで、世界各国の権力関係がどのように変遷してきたということに費やされた。冷戦構造や核抑止力は、世界安定のためには非常に有効だったということを授業で扱った日の夕飯で、パキスタン人のS君に以下のような質問を素朴にされた。
日本って軍隊持っているの?
おおーいきなり核心をついた質問。恐らく彼はそうは思っておらず、”普通の国”の普通の質問をしたのだと思う。このエリアの正確な英語にはそれほど詳しくないのですが、なるべく詳細説明しようと試みました。現状の憲法では、軍隊は持てないことになっていること。自衛隊はあるということ。但し、規模兵力を考えれば、実質的には、”軍隊”であること。朝鮮戦争のときに反共の防波堤として日本を位置付けたために、米国主導で設置された警察予備隊が発祥であること。現状では、レトリックを使って、日本には軍隊は存在しないということになっていること。この状況を直すために、改憲議論が最近起きていること。などなど。
僕が正確に説明できたのかはよく分かりませんが、単純なYes/Noの質問をした彼にとっては、この複雑な回答は恐らく予想していなかったものと思います。
憲法9条があるから戦後以降日本は戦争に巻き込まれなかったのだという意見を聞くことがありますが、これは部分的には正しいと思いますが、やっぱり回答の幹は、”核抑止力”だったんだなということを再認識。そもそも、普通の人は憲法9条なんてしらないし、誰も気にしていないというのが、国際政治の授業や友人との議論から得た僕の印象。
日本人として憲法9条を守るべきかどうかという議論は大いにすべきとは思います。但し、どこかの党が主張するような、9条があったからこそ日本が戦争に巻き込まれてこなかったのだ、というのは、partially rightに過ぎないなと、S君とのディナーで思いました。
この手の会話を英語ですると相当疲れますが、自分自身の日本の理解が進むし、相手にも日本の一部でも伝えることができますし、英語的には語彙が増えるのと、ロジカルに説明しようと頑張るので、いろんな意味で僕にとって有意義です。
PS
これとは直接関係ないのですが、2003年に巨人の松井がヤンキースに入団した時のことを思い出しました。日本では、日本の主砲がアメリカの名門チームに入団し、NYが熱狂しているとの報道でした。当時アメリカに滞在していた僕は、多くの友人家族から、「松井ってすごい注目されていて、大フィーバーになっているんでしょ」とよく聞かれたのであるが、「残念ながら答えはNoです。」と。
一部の野球ファンは、日本から打者がやってきたのを知っており、その一部が彼はヤンキースでplayしているらしいことを知っており、そのほんの一部が、かろうじてHidekiという名前を知っているのが実情であったと思う。NYでタクシーの運転手に、「Hidekiは活躍している?」って聞いた時に、「ああそんな選手いたね」という回答が返ってきた位です。
僕もこれに気づいた時は若干ショックでしたが、アメリカ側から考えれば自明。毎年世界中から選手を取り入れているメジャーであるので、別に松井の入団は何ら真新しいということではない。立場を考えればすぐわかるのであるが、この温度差の違いはとても面白かったと記憶している。それ以来、日本の報道で、米国で熱狂しているという報道があると、相当差っ引いて見るようになっています。なんとなく上述の9条の議論に似ている部分があったので、思いだして、書いてみました。
国際政治経済、社会システムを扱っていたが、日本の話が相当よく出てきた。その度に、日本人として何か発言しなくちゃと思って、気負い気味で頑張りました。日本のケースが出てくると、どちらかというと批判的なケースとして出てくることが多いのですが、そのたびに、「いや違う、こういう側面もあったんだ。こういう効用もある」とか、。以前友人にも言われたのですが、「お前は、日本の話、それも日本に対してのステレオタイプな発言、茶化したような発言をされると、かなりムキになって反論するよね。」と。自覚しています。意図的にやっている部分もあります。今後もそうしようと思っております。
授業の前半部分の多くが、第二次世界大戦以降から現在まで、世界各国の権力関係がどのように変遷してきたということに費やされた。冷戦構造や核抑止力は、世界安定のためには非常に有効だったということを授業で扱った日の夕飯で、パキスタン人のS君に以下のような質問を素朴にされた。
日本って軍隊持っているの?
おおーいきなり核心をついた質問。恐らく彼はそうは思っておらず、”普通の国”の普通の質問をしたのだと思う。このエリアの正確な英語にはそれほど詳しくないのですが、なるべく詳細説明しようと試みました。現状の憲法では、軍隊は持てないことになっていること。自衛隊はあるということ。但し、規模兵力を考えれば、実質的には、”軍隊”であること。朝鮮戦争のときに反共の防波堤として日本を位置付けたために、米国主導で設置された警察予備隊が発祥であること。現状では、レトリックを使って、日本には軍隊は存在しないということになっていること。この状況を直すために、改憲議論が最近起きていること。などなど。
僕が正確に説明できたのかはよく分かりませんが、単純なYes/Noの質問をした彼にとっては、この複雑な回答は恐らく予想していなかったものと思います。
憲法9条があるから戦後以降日本は戦争に巻き込まれなかったのだという意見を聞くことがありますが、これは部分的には正しいと思いますが、やっぱり回答の幹は、”核抑止力”だったんだなということを再認識。そもそも、普通の人は憲法9条なんてしらないし、誰も気にしていないというのが、国際政治の授業や友人との議論から得た僕の印象。
日本人として憲法9条を守るべきかどうかという議論は大いにすべきとは思います。但し、どこかの党が主張するような、9条があったからこそ日本が戦争に巻き込まれてこなかったのだ、というのは、partially rightに過ぎないなと、S君とのディナーで思いました。
この手の会話を英語ですると相当疲れますが、自分自身の日本の理解が進むし、相手にも日本の一部でも伝えることができますし、英語的には語彙が増えるのと、ロジカルに説明しようと頑張るので、いろんな意味で僕にとって有意義です。
PS
これとは直接関係ないのですが、2003年に巨人の松井がヤンキースに入団した時のことを思い出しました。日本では、日本の主砲がアメリカの名門チームに入団し、NYが熱狂しているとの報道でした。当時アメリカに滞在していた僕は、多くの友人家族から、「松井ってすごい注目されていて、大フィーバーになっているんでしょ」とよく聞かれたのであるが、「残念ながら答えはNoです。」と。
一部の野球ファンは、日本から打者がやってきたのを知っており、その一部が彼はヤンキースでplayしているらしいことを知っており、そのほんの一部が、かろうじてHidekiという名前を知っているのが実情であったと思う。NYでタクシーの運転手に、「Hidekiは活躍している?」って聞いた時に、「ああそんな選手いたね」という回答が返ってきた位です。
僕もこれに気づいた時は若干ショックでしたが、アメリカ側から考えれば自明。毎年世界中から選手を取り入れているメジャーであるので、別に松井の入団は何ら真新しいということではない。立場を考えればすぐわかるのであるが、この温度差の違いはとても面白かったと記憶している。それ以来、日本の報道で、米国で熱狂しているという報道があると、相当差っ引いて見るようになっています。なんとなく上述の9条の議論に似ている部分があったので、思いだして、書いてみました。
by Insead_2009
| 2009-02-27 05:31