2009年 06月 01日
P3の授業のまとめと感想 |
掲載するのをすっかり忘れていました。
International Political Analysis>
以前のエントリーを参照ください。リーディングが多すぎて、泣きそうでしたということを付け加えます。
Macroeconomics Global Economy
普通にマクロエコノミクスの授業でした。理論重視というよりは、現実世界の事象にできるだけ照らして説明しようとする授業でしたが、先生がUnstructuredすぎたので、ちょっと不満の残る重要でした。フィリップス曲線の回で、よっしゃこれは日本の現状をみんなに知ってもらうには絶好の機会だと思って、昨今の雇用政策(雇用が必要以上に守られていること)に関する政府議論を紹介しました。政府の政策は、原理論的には合理的ではないということ、-実際日本の雇用の流動性のなさはOECDからも批判されている-、を日本の状況に合わせて説明しました。恐らく今までの発言の中で、一番かっこよく英語でスラスラスラーって発言できたものでした。かなり自己満足気味でしたが、他のクラスメートは興味深そうにじっと聞いてくれていたので、嬉しかったです。教授は、「その通り。政府の政策はmake senseしないね」と一言コメントもらうだけだったので、ちょっと悲しかったです。
Applied Corporate Finance
ファイナンスの授業の応用編です。全てケースベースで、授業の前半はかなり定量的であったのですが、後半結構定性的な議論にもなりました。授業内容はP1、P2で学んだ内容を基礎に、各企業のFinance Policyに関して分析をするというもの。KKRによるナビスコ買収のケースでは、DCFに基づいた企業価値算定を行い、買収価格がどれくらいが妥当であるのかという課題でした。エクセルでカチャカチャモデルを作って、必要なアサンプションを組み込んで、数字を出すという作業でした。理解度に大きくばらつきのある授業で、いまいち納得いく形とはなりませんでした。
Market Driving Strategies
マーケティングのシミュレーションの授業でした。前半の数回は、通常のケースを基にした授業であったが、ほとんどは、コンピューターによるシミュレーションに授業が費やされた。5人程度でチームを組み、マーケティンググループの長として、架空の製品Xをマーケティングし、利益を得るというもの。INSEADのマーケティングデパートメントが開発してたプログラムを使って、進められた。様々なデータを見ることができるので、それらのデータを分析して、Xをどのくらい清算すべきか、R&Dにいくらかけるべきか、どのように顧客をセグメントし、ターゲットし、製品のポジショニングはどのようにすべきか、販売チャンネルとしては何を使うべきか等などを、決定していく。毎回のインプットを元に、コンピュータが、製品Xがどれくらい売れたのか、競合の利益率はどうなのか、どのセグメントでは売り上げが伸びて、どこでは伸びていないのかということを算出してくれて、それらのデータを基に、再度実際のマーケティング戦略を練り直すというもの。例えば、製品Xの特徴は、顧客セグメントAにおいて非常に高く評価されているので、マーケティング活動の費用を顧客セグメントAに集中的に使おうとか、製品の認知度が非常に高いのに、実際の売り上げにつながっていない場合は、営業人員数を増やそうとか、そういう決定を行い、コンピューター上のスクリーンに、関連事項の数値を打ち込んでいくというもの。これをひたすら8ラウンド行い、最終的に、どれだけの利益が出たのか、株価か上がったのかということを、チームごとに競うものであった。
プログラムは非常によく出来ていて、実際の予算配分決定執行などはこうやって行っていくのだろうといういい練習になった。情報量が多すぎるので、取捨選択を効率的に行わないと、いつまでも決定ができないという事態になってしまう。(多々、それぞれのラウンドで時間切れになりそうになっていた)
僕らのチームは、ブラジル人、ドイツ人、アメリカ人、カナダ人、僕というチームであったのだが、みんな初めて顔を合わせる人ばかりで、チームワークは当初最悪でした。自分も含めて、みんな何をすべきか全く分かっていなかったり、特定のデータのみばかりに固執した意見が出たり、ドイツ人のSさんは、パニック気味に金切り声をあげたりと、かなりdisasterな状況でした。途中は授業に行くのも嫌になるくらいでしたが、時間が経つにつれて、チームとして有機的に機能するようになり、各自が担当するデータ分析を決定して、ストラクチャーのある意思決定ができるようになりました。シミュレーションの最終結果は、mediocreという表現がぴったりな感じでした。
このシミュレーションを通して実感したのが、僕個人として一番強く思ったのは、いきなりデータや資料を英語で与えられて、その場で一緒に考えて大勢と議論するというのは、やはり依然として難しいということ。同じ時間を与えられたとして、まず英語だから理解のスピードが遅い、でそのままの状況でディスカッションが始まるからその理解についていきにくい、でそのまま意思決定が行われちゃうから、最終的になんのこっちゃ?ということになる。そもそも彼らも100%分かっているわけではないので、ロジカルでない部分が沢山あり、それが英語で進んでいってしまうので、そもそもロジックがわからないのに、英語もわからないという、デフレスパイラルみたいな状況になっていました。通常の授業は、ケースを読み込んでそれなりに論点を自分なりに確認するので、こういうことにはならないのですが、その場で、「はいどうぞ」ってやられちゃうと、厳しいです。人数が多いとなおさら。このハードルは僕にとってはなかなか高いです。
Mergers,Acqns,Alliances&CorStr、
P3では、一番面白かった授業。宿題やリーディングの量は非常に多く、この授業のおかげで、土日も終日勉強ということが多々あったのですが、いい授業でした。
内容は、戦略の授業という位置づけで、買収、提携を行う場合にどのような点を考えないといけないのかということを、ケースベースでひたすら繰り返し、ディスカッションをするというもの。戦略の授業は得てして定性的でフワフワしたものになりがちなのだが、しっかりしたフレームワークと定量分析があったので、バランスがよくとれた授業でした。
多くのM&Aが失敗(失敗の定義としてはvalue Destruction)している中で、シスコなど一部の企業は買収の繰り返しで大成功している。多くのケースで、デューデリジェンスが十分に行われていないということ、戦略的な観点を考えずに安いから買ってしまえとうこと、買収の可否を検討してここまで時間を費やしたのだからこのディールは成功させないということなどが(典型的なサンクコスト議論です)が起こって、結局長期的に上手くいかないのです。そんななんかでシスコは相当しっかりしたプロセスを経て買収を繰り返しています。選定プロセス、選定後から合併に至るプロセス、合併後の統合のプロセスなど、かなり精緻な基準をもって実行しているのが分かりました。例えば買収が成立した翌日には、買収先の従業員をシスコキャンプと呼ばれるものに連れて行き、シスコのカルチャーとの融合を促すトレーニングを行っています。ソフトの面に相当気を使っていることが分かりました。
定量的な分析は、DCFを使って、企業価値を算出しいくらまでなら払えるかといことを検討しました。多くのケースで、結局将来にわたって買収によって得られるアップサイドを相殺してしまうくらいの必要以上に高いお金を払ってしまうディールがあり、結局買収から何にもフィナンシャルな利益を得られませんでした、ちゃんちゃん。ということになっていました。
New Business Ventures
この授業は、どのように新しい事業を起こすかというものではなく、新しい事業を起こす上で、どのようなことが準備段階で必要になるかということをケースで勉強するものであった。例えば、友人同士でビジネスを起こした場合にどのような短所長所があるのか、創業者メンバーの中でどのようにエクイティーを配分すべきか、事業に対する責任に基づいて配分すべきか、均等に配分すべきかなど、であった。
International Political Analysis>
以前のエントリーを参照ください。リーディングが多すぎて、泣きそうでしたということを付け加えます。
Macroeconomics Global Economy
普通にマクロエコノミクスの授業でした。理論重視というよりは、現実世界の事象にできるだけ照らして説明しようとする授業でしたが、先生がUnstructuredすぎたので、ちょっと不満の残る重要でした。フィリップス曲線の回で、よっしゃこれは日本の現状をみんなに知ってもらうには絶好の機会だと思って、昨今の雇用政策(雇用が必要以上に守られていること)に関する政府議論を紹介しました。政府の政策は、原理論的には合理的ではないということ、-実際日本の雇用の流動性のなさはOECDからも批判されている-、を日本の状況に合わせて説明しました。恐らく今までの発言の中で、一番かっこよく英語でスラスラスラーって発言できたものでした。かなり自己満足気味でしたが、他のクラスメートは興味深そうにじっと聞いてくれていたので、嬉しかったです。教授は、「その通り。政府の政策はmake senseしないね」と一言コメントもらうだけだったので、ちょっと悲しかったです。
Applied Corporate Finance
ファイナンスの授業の応用編です。全てケースベースで、授業の前半はかなり定量的であったのですが、後半結構定性的な議論にもなりました。授業内容はP1、P2で学んだ内容を基礎に、各企業のFinance Policyに関して分析をするというもの。KKRによるナビスコ買収のケースでは、DCFに基づいた企業価値算定を行い、買収価格がどれくらいが妥当であるのかという課題でした。エクセルでカチャカチャモデルを作って、必要なアサンプションを組み込んで、数字を出すという作業でした。理解度に大きくばらつきのある授業で、いまいち納得いく形とはなりませんでした。
Market Driving Strategies
マーケティングのシミュレーションの授業でした。前半の数回は、通常のケースを基にした授業であったが、ほとんどは、コンピューターによるシミュレーションに授業が費やされた。5人程度でチームを組み、マーケティンググループの長として、架空の製品Xをマーケティングし、利益を得るというもの。INSEADのマーケティングデパートメントが開発してたプログラムを使って、進められた。様々なデータを見ることができるので、それらのデータを分析して、Xをどのくらい清算すべきか、R&Dにいくらかけるべきか、どのように顧客をセグメントし、ターゲットし、製品のポジショニングはどのようにすべきか、販売チャンネルとしては何を使うべきか等などを、決定していく。毎回のインプットを元に、コンピュータが、製品Xがどれくらい売れたのか、競合の利益率はどうなのか、どのセグメントでは売り上げが伸びて、どこでは伸びていないのかということを算出してくれて、それらのデータを基に、再度実際のマーケティング戦略を練り直すというもの。例えば、製品Xの特徴は、顧客セグメントAにおいて非常に高く評価されているので、マーケティング活動の費用を顧客セグメントAに集中的に使おうとか、製品の認知度が非常に高いのに、実際の売り上げにつながっていない場合は、営業人員数を増やそうとか、そういう決定を行い、コンピューター上のスクリーンに、関連事項の数値を打ち込んでいくというもの。これをひたすら8ラウンド行い、最終的に、どれだけの利益が出たのか、株価か上がったのかということを、チームごとに競うものであった。
プログラムは非常によく出来ていて、実際の予算配分決定執行などはこうやって行っていくのだろうといういい練習になった。情報量が多すぎるので、取捨選択を効率的に行わないと、いつまでも決定ができないという事態になってしまう。(多々、それぞれのラウンドで時間切れになりそうになっていた)
僕らのチームは、ブラジル人、ドイツ人、アメリカ人、カナダ人、僕というチームであったのだが、みんな初めて顔を合わせる人ばかりで、チームワークは当初最悪でした。自分も含めて、みんな何をすべきか全く分かっていなかったり、特定のデータのみばかりに固執した意見が出たり、ドイツ人のSさんは、パニック気味に金切り声をあげたりと、かなりdisasterな状況でした。途中は授業に行くのも嫌になるくらいでしたが、時間が経つにつれて、チームとして有機的に機能するようになり、各自が担当するデータ分析を決定して、ストラクチャーのある意思決定ができるようになりました。シミュレーションの最終結果は、mediocreという表現がぴったりな感じでした。
このシミュレーションを通して実感したのが、僕個人として一番強く思ったのは、いきなりデータや資料を英語で与えられて、その場で一緒に考えて大勢と議論するというのは、やはり依然として難しいということ。同じ時間を与えられたとして、まず英語だから理解のスピードが遅い、でそのままの状況でディスカッションが始まるからその理解についていきにくい、でそのまま意思決定が行われちゃうから、最終的になんのこっちゃ?ということになる。そもそも彼らも100%分かっているわけではないので、ロジカルでない部分が沢山あり、それが英語で進んでいってしまうので、そもそもロジックがわからないのに、英語もわからないという、デフレスパイラルみたいな状況になっていました。通常の授業は、ケースを読み込んでそれなりに論点を自分なりに確認するので、こういうことにはならないのですが、その場で、「はいどうぞ」ってやられちゃうと、厳しいです。人数が多いとなおさら。このハードルは僕にとってはなかなか高いです。
Mergers,Acqns,Alliances&CorStr、
P3では、一番面白かった授業。宿題やリーディングの量は非常に多く、この授業のおかげで、土日も終日勉強ということが多々あったのですが、いい授業でした。
内容は、戦略の授業という位置づけで、買収、提携を行う場合にどのような点を考えないといけないのかということを、ケースベースでひたすら繰り返し、ディスカッションをするというもの。戦略の授業は得てして定性的でフワフワしたものになりがちなのだが、しっかりしたフレームワークと定量分析があったので、バランスがよくとれた授業でした。
多くのM&Aが失敗(失敗の定義としてはvalue Destruction)している中で、シスコなど一部の企業は買収の繰り返しで大成功している。多くのケースで、デューデリジェンスが十分に行われていないということ、戦略的な観点を考えずに安いから買ってしまえとうこと、買収の可否を検討してここまで時間を費やしたのだからこのディールは成功させないということなどが(典型的なサンクコスト議論です)が起こって、結局長期的に上手くいかないのです。そんななんかでシスコは相当しっかりしたプロセスを経て買収を繰り返しています。選定プロセス、選定後から合併に至るプロセス、合併後の統合のプロセスなど、かなり精緻な基準をもって実行しているのが分かりました。例えば買収が成立した翌日には、買収先の従業員をシスコキャンプと呼ばれるものに連れて行き、シスコのカルチャーとの融合を促すトレーニングを行っています。ソフトの面に相当気を使っていることが分かりました。
定量的な分析は、DCFを使って、企業価値を算出しいくらまでなら払えるかといことを検討しました。多くのケースで、結局将来にわたって買収によって得られるアップサイドを相殺してしまうくらいの必要以上に高いお金を払ってしまうディールがあり、結局買収から何にもフィナンシャルな利益を得られませんでした、ちゃんちゃん。ということになっていました。
New Business Ventures
この授業は、どのように新しい事業を起こすかというものではなく、新しい事業を起こす上で、どのようなことが準備段階で必要になるかということをケースで勉強するものであった。例えば、友人同士でビジネスを起こした場合にどのような短所長所があるのか、創業者メンバーの中でどのようにエクイティーを配分すべきか、事業に対する責任に基づいて配分すべきか、均等に配分すべきかなど、であった。
by Insead_2009
| 2009-06-01 07:41